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地球の生きている花 スベトラーナ・シュリャク(女・13歳)

地球の生きている花 スベトラーナ・シュリャク(女・13歳)
 第一中等学校6年生 ルニネツ町

 人間は宇宙から地球に来たと、時々耳にする。地球は私たちの家である。その地球で生彩を放っているのは、子どもたち。子どもは地球の生きている花である。その彩りのない地球を想像することができるだろうか。いやできない。地球には元始より、子どもが生きていくための環境がつくられているのだ。

 それぞれの子どもにそれぞれの運命があり、それぞれの宿命がある。大切なのは、地球という家によい足跡を残し、両親がくれたよりよいものを、混乱のなかでも失わないことである。私の生命はつい最近始まった。13年前に。

  私たちの娘 スベトラーナちゃん
  あなたは開いたばかりの草の葉っぱ
  私たちの愛はあなたと一緒
  最初のかわいいお花ちゃん

 この未完成の詩は、幼な子キリストを抱く聖母マリアのように母が私を腕にだいている私の最初の写真に、母が書きつけたものだ。これはまるでイコン(※)のようだ。それは私の最も好きな写真だ。私はその写真を長い間ながめ、すばらしかった幼い日のことを思いだしている。そのとき私はまだ、人生がいかにすばらしいか、よく考えもしなかった。初めて春の地面に咲くか弱い花がやさしい太陽の光に包まれているように、私も両親の抱擁(愛情・優しさ)と愛に包まれていた。


※イコン
 板に描かれた宗教画

 だが、このか弱い花に、いまいましいチェルノブイリの雨がふりそそいだ。説明できないほどの恐怖と好奇心でいっぱいになり、私は大人たちの話しに耳をすまして、彼らの顔や目をじっと見た。特に、私をおびえさせたのは「棺桶代」という言葉だった。私は以前、祖父の葬儀のときにもこのおそろしい言葉を聞いたことがある。私はこのお金でお棺を買い、死ぬのだと思っていた。その当時私は死を少しも恐れず、神様や悪魔やあの世にあるもの全てを見るために、死にたいとさえ思っていた。

 チェルノブイリの最初の打撃は、今思いだすだけでも、とげのような氷のかけらで私の心臓を貫く。私は学校の式典の途中に気を失い、5分後に意識を取り戻した。母の顔は青ざめ、目は恐怖で琥珀色になっていた。耳にはこれからおこる悲劇を知らせる鐘の音が聞こえてきた。そのとき、私は7歳だった。いつのまにか頭痛があらわれ、関節が痛むようになった。甲状腺炎と診断された。お医者さんたちは「全てチェルノブイリによってあらわれた、破滅をもたらすニガヨモギのせいだ」と結論づけた。

 私の明日はどうなるのだろうか。病気になった人は全く別の、全く「特殊な」人になると思う。彼らは世界を違った目でみる。私は今、人生のほこりだらけの道を歩いているような気がする。私は病気のことを考えないことにしている。生命はすばらしい。毎日、新しい、未知のものをいっぱいもたらしてくれる。だが、道はセシウムとストロンチウムのほこりでいっぱいだ。

 夕方になると、ベッドに横になって、星をながめるのが好きだ。いつもほかの星の同じ年の女の子と出会うのを想像する。私は夢の中で、絶対に彼女に会えると信じている。その時、最初に私が頼みたいのは、地球の子どもに本当の子どもの生活を送れるようにしてほしいということだ。そしていっしょに手をとりあって、私たちの家であるこの地球を飛び回りたい。

 分からないように、赤ちゃんのところに飛んでいこう。神様は子どもの目を借りてものを言うそうだ。彼らの目に冷淡のままでいられる人はいるだろうか。子どもはみんな、手をとりあい、大人の目を見つめる-神様が見つめるように。そうしたら地球ではもう誰も決して、自分や子どもたちのために、壊滅的な被害をもたらす放射能など、考え出すことさえもないだろう。悲しみを運ぶ鳥は、その翼で、地球の誰にも触れはしないだろう。そして、永遠に、地球の生きている花は咲き続けるだろう。

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子供たちのチェルノブイリ

Author:子供たちのチェルノブイリ
昔、こどもたちのチェルノブイリの作文集を選ぶボランティアをしました。この時の衝撃は今も心に残っています。
 連絡先
 ohanamoon@gmail.comまで

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