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灰の下に ガリーナ・ユールキナ(女・15歳)

灰の下に ガリーナ・ユールキナ(女・15歳)
 コロトロビッチ村 ジロービン地区

 当時7歳半だった私は、おじいちゃんとおばあちゃんと一緒に、ホイニキ地区ドロヌキ村に住んでいた。小学校1年生だった私のところにも不幸は突然やってきた。

 朝、私はたまらなくのどがかわいて外に出た。家々や木々や土などまわり一面、すべてのものは、灰色の薄い層におおわれていた。戦争が始まったのかと思った。地球上のほかの子どもたちと同じように私も戦争は怖かった。はじめに考えついたのは、森に逃げて隠れることだった。私はおばあちゃんに、ずっと遠くの母のいるカザフスタンに逃げるように頼んだ。でも、おばあちゃんが賛成しなかったので、母は殺されたのかと思った。思えば思うほど恐ろしく、私は涙をながしながら叫んだ。

 「ママやパパは生きているって言って。まだ死んでないと言って」と。母は生きている。もうすぐ母のところへ行けると私はなだめられた。でも、誰も信用できず、知らない人が訪ねて来ると怖くなり、恐怖で私の目は大きく見開くのだった。

 今にも、誰かが「お嬢ちゃん、パパもママも死んだよ」と言い出すような気がしていた。おばあちゃんはずっと泣いていたので、きっと母のことで泣いているのだろうと思っていた。

 時々、私たちはホイニキに行き、そのあとミンスクに行った。私は検査を受けると、そこですぐに入院させられたが、病気のことは何一つ説明もなかった。

 ある日、おばあちゃんとお医者さんの話を立ち聞きしてしまった。私は重体で、肝臓が悪いということだった。私は肝臓が肥大していることを始めて知った。約2か月入院した後、医者の勧めるカザフスタンに行った。

 しかしそこでも病から救われなかった。髪が抜け始めた私が、被曝していると分かると、誰も友だちになってくれなかった。それどころか、「よそ者」とぞんざいな言葉を浴びせられ、どんなに泣いたことだろう。

 カザフスタンにも長くは居られなかった。体調はずっとすぐれず、目がまわり、よく倒れた。医者はなすすべを知らず、私はベラルーシに帰らざるをえなくなった。

 今はおばあちゃんおじいちゃんと一緒に、ジロービン地区のコロトロビッチ村に住んでいる。その後私の体は、さらに悪くなっている。胃も腎臓も肝臓も悪く、甲状腺肥大も進んでいる。

 私は何度も、「子ども救援基金」に手紙を書き、療養所の利用券をお願いしたが、すべて無駄だった。そして私は、ジロービンの病院で治療をうけざるを得なかった。

 体の痛みのほかに、心の痛みも鮮烈に残った。あの時の自分の涙、両親の涙、祖父母の涙、近くに住む人々の涙・・・・・・。すべてはっきりと覚えている。ちょっとした物音がしても、敵ではないかと怯えたものだ。病院での長い日々も忘れることはできない。子どもたちからあだ名で呼ばれたときの屈辱も。

 心の傷は時間がいやしてくれるかもしれない。確かに痛みはおさまってきているが、忘れ去ることは決してない。

 まもなく16歳になる私に、恐怖がつきまとう。病気と直面している恐怖である。突然変異についてよく耳にするが、自分の未来の子どものことも心配だ。その可能性があるのではないかと恐怖はひろがる。

 被曝した人は大勢いる。私とおなじようにののしられた多くの「よそ者」が、おなじような思いで生きていることだろう。世界のすべての人に訴えたい。

 「みなさん、考えなおしてください。過ちは犯さないでください。原発をつくらないでください。核兵器をつくらないでください。ヒロシマやチェルノブイリを思いだし、その結果起きたことを考えてください。子どもたちのことを考えてください。
 相互理解と平和を達成することは、果たしてそれほど困難なことでしょうか。エネルギー源をほかに求める道は、本当にないのでしょうか。考えてください。
 ごく普通の女の子の叫びを聞いてください。私たちの惑星を守るのを手伝ってください。
 本当にお願いします。本当に・・・・・・」と。

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子供たちのチェルノブイリ

Author:子供たちのチェルノブイリ
昔、こどもたちのチェルノブイリの作文集を選ぶボランティアをしました。この時の衝撃は今も心に残っています。
 連絡先
 ohanamoon@gmail.comまで

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